2025年12月14日 日曜日 ☁
先日、ついに出会ってしまいました。
その名も――黄金のたぬきつうどん。
名前からしてもう強い。黄金ですよ?たぬきですよ?しかも「つう」がひらがな。これはもう、ただのうどんじゃない。何かが起きる予感しかしない。
まず器を目の前に置かれた瞬間、思わず二度見。
つゆが…金色。いや、正確には「だし界のゴールド」。まるで長年修行を積んだ職人が「今日は本気出すか」と言った日の色をしている。天かすが表面にきらきら浮かび、まるで温泉街の夜景を空から見たようなビジュアル。ここで一句詠みたくなるが、腹が鳴ってそれどころじゃない。
箸を入れる。
うどんは中太で、つやっつや。持ち上げた瞬間に分かる、「あ、こいつ信頼できるやつだ」という感触。コシは強すぎず、弱すぎず、ちょうどいい“受け身の達人”。どんなつゆも受け止める覚悟がある。
そして、いざ一口。
……うまい。
いや、これは軽く言いすぎた。
正確には「静かにうまい」。ドーン!と殴ってくるタイプじゃない。背中からそっと毛布をかけてくる優しさ。昆布と鰹のバランスが絶妙で、塩気は控えめ。でも物足りなさはゼロ。むしろ「もう一口いっとく?」と脳に直接話しかけてくる。
天かすがまた、いい仕事をする。
最初はサクッと、途中からじゅわっと。時間経過でキャラが変わるタイプの名脇役。最初は軽快なお笑い担当、後半は感動を誘う名助演。気づけばつゆにコクが増し、「黄金」がさらに深い色合いに進化している。
たぬきつうどんって、正直言って地味な存在だと思っていた。
派手さはない。肉もない。海老もいない。
でもこの黄金のたぬきつうどんは違う。
「俺は俺で勝負してるから」と言わんばかりの自信。ミニマリズムの極致。引き算の美学。
途中で七味を少々。
これがまた合う。黄金についた小さな赤い点が、まるで宝石。香りが立ち、味にキレが生まれる。「あ、まだ伸び代あったんだ」とうどんに言われた気がした。
気づけば、器の底が見えている。
名残惜しい。でも後味は重くない。胃も心もほっこり。
食べ終わった後に「また食べたいな」と自然に思わせる、この感じ。派手な恋じゃないけど、長く続く関係になりそうな一杯。
黄金のたぬきつうどん。
これはごちそうではない。
でも、最高の日常だ。
ps
疲れた日、何も考えたくない日、
「今日はこれでいい」じゃなくて
「今日はこれがいい」と言わせてくる。
そんな、ずるいうどんだった。
ではではryoichiでした〜


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